相続税の申告書には、財産の内容や適用する特例に応じて多くの書類を添付する必要があります。書類の収集は平均して1ヶ月前後かかるとされ、申告期限(10ヶ月)から逆算すると、できるだけ早い段階で着手することが重要です。本記事では、必要書類を「全員共通」「財産の種類別」「特例・控除別」の3つに分けて整理します。
① 相続人全員が共通して必要な書類
書類名 | 取得先 |
|---|---|
被相続人の出生から死亡までの戸籍謄本(除籍・改製原戸籍を含む) | 市区町村役場 |
被相続人の住民票の除票または戸籍の附票 | 市区町村役場 |
相続人全員の戸籍謄本・住民票 | 市区町村役場 |
相続人全員の印鑑証明書(原本) | 市区町村役場 |
マイナンバー確認書類 | 各自保管 |
遺言書の写し、または遺産分割協議書の写し | 各自保管・作成 |
※自筆証書遺言を法務局以外で保管していた場合は、家庭裁判所の検認が必要です。
② 財産の種類別に必要な書類
- 預貯金:残高証明書、既経過利息計算書、通帳の写し(過去5年分の入出金確認用)
- 不動産:固定資産税評価証明書、名寄帳、登記事項証明書、路線価図、賃貸借契約書(貸家がある場合)
- 上場株式・投資信託:残高証明書、配当金支払通知書
- 非上場株式:直近3期分の決算書・法人税申告書、株主名簿
- 生命保険:支払通知書(保険会社発行)
- 債務・葬式費用:借入金の残高証明書、葬儀費用の領収書(お布施等はメモでも可)
③ 特例・控除の適用に必要な書類
- 配偶者の税額軽減:①の共通書類に加え、原則追加書類は不要(遺産分割協議書等で取得財産が確定していること)
- 小規模宅地等の特例:同居の事実を証する住民票の写し、賃貸借契約書(貸付事業用の場合)
- 相続時精算課税制度を適用していた場合:被相続人・受贈者の戸籍の附票の写し
実務のポイント
書類収集で特に時間がかかるのは、被相続人の出生から死亡までの戸籍謄本と、金融機関の残高証明書です。原本の提出が必須なのは印鑑証明書のみで、その他の多くはコピーでの提出が可能です。特例の適用有無によって必要書類が変わるため、早い段階で税理士に財産の概要を伝え、収集すべき書類を絞り込んでもらうことで、申告準備全体のスピードが大きく変わります。