「相続税の申告が必要かどうか、まず簡単に確認したい」という場合、国税庁が無料で提供している「相続税の申告要否判定コーナー」が便利です。画面の案内に沿って入力するだけで、おおよその申告要否と税額の目安を計算できます。
できること
- 法定相続人の数を入力すると、基礎控除額(3,000万円+600万円×法定相続人の数)を自動計算
- 土地・建物・有価証券・現預金・生命保険金・債務等を入力すると、相続財産等の評価額を自動計算
- 基礎控除額と財産評価額を比較し、申告のおおよその要否を判定
- 小規模宅地等の特例(特定居住用宅地等)や配偶者の税額軽減を適用した場合の税額シミュレーション
- 入力内容を印刷し、「相続税の申告要否検討表」として、税務署から届いた「お尋ね」への回答に使うことも可能
主な入力の流れ
- 被相続人(亡くなった方)の住所・氏名・生年月日・死亡日を入力
- 法定相続人の氏名・続柄・人数を入力(相続放棄した人も含めて全員を入力)
- 土地・建物・有価証券・現預金・生命保険金等・債務及び葬式費用などの財産・債務を、種類ごとに金額を入力
- 相続開始前一定期間内の生前贈与財産、相続時精算課税適用財産があれば入力
- 小規模宅地等の特例や配偶者の税額軽減の適用有無を選択
- 最終確認画面で入力内容をチェックし、印刷または保存
土地の入力では、路線価がある地域は路線価、ない地域は固定資産税評価額と倍率を入力します。路線価・倍率は国税庁の「路線価図・評価倍率表」で確認できます。入力途中でデータを一時保存できる機能もあるため、資料が揃うたびに少しずつ入力を進めることも可能です。
このコーナーが使えないケース
- 相続開始が2014年12月31日以前(基礎控除引き下げ前の旧ルール)
- 相続財産の総額が100億円以上
- 相続する土地の形状が不整形、または権利関係が複雑な場合
土地は多くの場合、多少なりとも不整形な形状をしていますが、このコーナーではそうした細かい補正計算までは行えません。あくまで概算・簡易判定のためのツールという位置づけです。
「相続税の申告要否検討表」との関係
税務署から「相続税の申告等についてのご案内」とともに送られてくる「相続税の申告要否検討表」は、手書きで記入することもできますが、この判定コーナーで入力・印刷したものを代わりに提出することも可能です。書き損じや計算ミスの心配がなく、財産の種類が多い場合にも記入欄の不足を気にせず入力できるという利点があります。
実務のポイント
このコーナーはあくまで簡易な判定・概算のためのツールであり、実際の相続税申告書としてそのまま提出できるものではありません。判定結果が申告不要のボーダーライン付近だった場合や、不整形地・非上場株式など評価が複雑な財産が含まれる場合は、判定結果を鵜呑みにせず、税理士に相談して正確な財産評価と申告要否の確認を行うことをおすすめします。