相続税の申告・納税が遅れたり、内容に誤りがあったりした場合、本税に加えて延滞税や加算税が課されます。本記事では、それぞれの具体的な計算方法を解説します。

延滞税の計算方法

延滞税は、納期限(原則として申告期限)の翌日から完納日までの日数に応じて計算される、利息に相当する税です。2026年(令和8年)の税率は以下のとおりです。

期間

税率(2026年)

納期限の翌日から2ヶ月以内

年2.8%

納期限の翌日から2ヶ月経過後

年9.1%

計算例として、納税額1,000万円を期限後365日で納付した場合、最初の60日は1,000万円×2.8%×60/365=約4.6万円、残り305日は1,000万円×9.1%×305/365=約76万円で、合計約80.6万円の延滞税が発生します(1円未満切捨て、最終的に100円未満切捨て)。

期限内に申告している場合、修正申告や税務調査での更正であっても、法定納期限の翌日から1年を超える期間については延滞税がかからない「計算期間の特例」があります。ただし、重加算税が課される場合はこの特例は適用されません。

無申告加算税の計算方法

申告のタイミング

税率

税務調査の通知前に自主申告

5%

通知後、更正決定の予知前

50万円まで10%、超える部分15%(300万円超はさらに加重)

税務調査を受けて更正・決定後

50万円まで15%、超える部分20%、300万円超の部分30%

計算例として、納税額281万円を、税務調査の通知後・更正決定の予知前に申告した場合、50万円×10%=5万円、(281万円-50万円)×15%=約34.7万円、合計約39.7万円が無申告加算税となります。

過少申告加算税の計算方法

期限内に申告したものの、後から税額が不足していたことが判明した場合に課されます。税務署からの指摘前に自主的に修正申告した場合は課税されません(延滞税のみ)。指摘後は、追加納付額の10〜15%(50万円超または当初申告税額超の部分は15〜20%)が課されます。

重加算税の計算方法

財産の隠蔽・仮装など悪質なケースでは、無申告加算税・過少申告加算税に代えて重加算税が課されます。無申告加算税に代わる場合は40%、過少申告加算税に代わる場合は35%が基本税率です(過去5年以内に同様の加算税を課された履歴があれば、さらに10%加重)。

実務のポイント

延滞税・加算税はいずれも「早く自主的に対応するほど税率が下がる」という共通のルールがあります。申告漏れや納税不足に気づいた場合は、税務署からの連絡を待たず、速やかに修正申告・期限後申告を行うことが、負担を最小限に抑える最も確実な方法です。