令和元年(2019年)10月1日から、相続税の申告もe-Taxで電子申告できるようになりました。国税庁の統計では、税理士による代理送信を含め、申告全体の5割程度がe-Taxを利用しています。
e-Taxでできること
- 相続税申告書の作成・送信(平成31年1月1日以後の相続から対象)
- 戸籍謄本や遺産分割協議書等の添付書類のデータ送信
- 「ダイレクト納付」による口座振替での納税
個人で申告する場合の手順
- 電子証明書の取得(マイナンバーカード等)
- 利用者識別番号(16桁)の取得(開始届出書の提出、または所得税申告等で既に取得済みならそのまま使用可)
- 相続税申告用のe-Taxソフトをダウンロード・インストール
- 第9表〜第15表で財産・債務を入力、第2表で相続税の総額、第4表〜第8表で税額控除、第1表で各人の納付税額を計算
- 添付書類をPDF化して組み込み
- 電子署名を付与して送信
個人利用が難しいとされる理由
- 相続税申告書の作成には「相続税申告用e-Taxソフト」が必要で、確定申告用のWeb版(確定申告書等作成コーナー)では作成できません
- Windows専用で、Mac OSでは利用できません
- e-Taxソフトには自動計算機能がなく、税額は自分で計算した上で入力する必要があります
- 相続人が複数いる場合、本人以外の分をまとめて申告することはできず、原則として各相続人が個別に手続きする必要があります
税理士に依頼する場合のメリット
税理士(税理士法人)が代理送信する場合は、相続人ごとの電子証明書や暗証番号が不要で、複数の財産取得者の申告を一括して代理送信できます(1回で最大9名分)。相続人の一部がインターネット環境やパソコン操作に不慣れな場合でも、税理士に依頼すればスムーズに電子申告を完了できます。
e-Tax利用のメリット
- 税務署の開庁時間(平日8時30分〜17時)を気にせず、24時間いつでも申告できる
- 提出書類がデータとして保存され、紛失リスクが低い
- ダイレクト納付により、金融機関の窓口に行かずに口座振替で納税できる
- 相次相続控除の適用時や二次相続時に、過去の申告書データを参照しやすい
実務のポイント
個人でe-Taxによる相続税申告を行うのは、相続人が1人で財産内容がシンプルな場合を除き、難易度が高い作業です。相続人が複数いる場合や、財産評価が複雑な場合は、税理士に依頼して電子申告を進めるほうが、手続きの正確性・スピードの両面で安心です。