子や孫への教育資金を最大1,500万円まで非課税で一括贈与できるこの制度は、2026年(令和8年)3月31日をもって延長されず終了することが決まりました。2026年7月時点では既に新規契約の受付は終了しています。
制度の概要(振り返り)
直系尊属(父母・祖父母等)から30歳未満の子・孫へ、教育資金を金融機関の専用口座を通じて一括贈与した場合、1人あたり1,500万円(学校等以外への支払いは500万円が上限)まで贈与税が非課税になる制度でした。平成25年の創設以来、相続税対策として広く活用されてきました。
既に契約している場合の取り扱い
2026年3月31日までに専用口座を開設し、資金を拠出していた契約については、制度終了後もそのまま継続して利用できます。新規契約はできませんが、既存契約が即座に無効になるわけではありません。
既存契約者が注意すべきポイント
- 30歳到達時点の残高:受贈者が30歳になった時点で教育資金として使い切れなかった残額には、贈与税が課税されます
- 贈与者が死亡した場合:贈与者の死亡時に口座に残額がある場合、その残額は相続財産とみなされて相続税の対象になります。2023年4月以後の拠出分は、受贈者の年齢にかかわらずこの扱いが適用されるため、「孫だから関係ない」とは言えません
- 領収書の管理:教育費として使った証明(領収書)を金融機関に提出する必要があり、提出漏れがあると非課税が否認されるリスクがあります
制度終了後の代替手段
- 都度贈与:入学金や授業料など、必要なタイミングでその都度、祖父母等が学校等へ直接支払う教育費は、従来どおり贈与税がかかりません。専用口座も不要でシンプルです
- 暦年贈与(年110万円):毎年コツコツと資産を移転する方法。孫ごとに活用でき、手続きも簡単です
- 相続時精算課税の110万円基礎控除:2024年改正で新設された枠を使い、早期に資産移転する方法
- NISAの活用:祖父母・親自身のNISA口座で運用し、必要な時に教育費として取り崩す方法。いつでも引き出せる柔軟性がメリットです
実務のポイント
制度が終了したことで、教育資金の援助自体ができなくなるわけではありません。「都度贈与」は制度に関係なく非課税である点を踏まえ、まとまった資金を早期に移転したい特別な事情がない限り、都度贈与や暦年贈与を中心とした資産移転計画に切り替えるのが現実的です。既に契約している方は、残高の管理と使い切りの計画を確認しておくことをおすすめします。