相続税対策は、相続が発生してからでは打てる手が限られます。生前のうちに計画的に取り組むことで、税負担を大きく抑えられる可能性があります。本記事では、主な生前対策の全体像を整理します。
対策の全体像
対策 | 概要 |
|---|---|
暦年贈与 | 年110万円の基礎控除を使い、時間をかけて資産を移転 |
相続時精算課税 | 値上がりが見込める資産を評価額固定で早期に移転 |
生命保険の活用 | 500万円×法定相続人の数まで非課税、納税資金の準備にも |
不動産の活用 | 現金を不動産に変えることで相続税評価額を圧縮 |
小規模宅地等の特例の活用設計 | 誰がどの土地を相続するかを生前から設計 |
住宅取得等資金の贈与 | 子・孫のマイホーム取得資金を非課税で援助 |
養子縁組 | 法定相続人を増やし基礎控除・生命保険非課税枠を拡大(人数制限あり) |
事業承継税制 | 自社株の贈与税・相続税の納税を猶予・免除 |
まず着手すべきは「財産の棚卸し」
どの対策から始めるべきかは、現状の財産構成によって変わります。預貯金・不動産・非上場株式・生命保険などの財産をリストアップし、現時点での相続税評価額を概算することが、対策の出発点になります。財産の棚卸しをせずに個別の対策だけ実行すると、かえって非効率になることもあります。
二次相続まで見据えた設計が重要
配偶者がいる場合、一次相続だけでなく二次相続までの通算での税負担を考慮することが欠かせません。配偶者の税額軽減を最大限使うことが必ずしも最適とは限らず、一次相続の時点で子にも財産を分散させておくほうが、トータルでの税負担を抑えられるケースが多くあります。
実務のポイント
生前対策は、時間をかけるほど選択肢が広がり、効果も大きくなる傾向があります。逆に、相続開始が近づいてから慌てて対策を始めると、生前贈与加算の対象になったり、小規模宅地等の特例の要件を満たせなかったりと、効果が限定的になることもあります。ご自身の財産状況に合わせて、どの対策から着手すべきか、早めに専門家へ相談することをおすすめします。